2018年12月19日(水)の14:00より、豊橋商工会議所にて『再開発事業からはじまる未来に向けたまちづくり』をテーマに、本再開発事業に関する記者発表を行いました。
豊橋経済記者クラブほかの報道機関の皆様にお越しいただき、本再開発はどういった思いが詰まった事業で、豊橋・東三河のまちにどういったインパクトを与えていきたいのか、組合はどんな思いをもって事業に取り組んでいるのかを発表しました。
豊橋駅前周辺の沿革
『未来に向けた新しいまちのシンボルを』
1960年代には本再開発エリア周辺には名豊ビル、大豊商店街等の商業店とともに、まちなかへのアクセスを向上させる名豊ビル地下バスターミナルも開通し、多くの人のにぎわいをもたらしました。
そんななか90年代頃よりバブルの崩壊や商店の郊外化等の様々な要因が重なり、生活サービスの拠点が減少しはじめました。2000年代前半になると駅前周辺の施設開発や再開発事業が進む中で徐々にまちの活気が戻りつつあります。
本再開発事業では、この流れをさらに発展させ、豊橋・東三河のさらなる未来に向けた新しいまちのシンボルとして新たな人のにぎわいを創出する拠点づくりを目指していきたいと思います。
再開発事業の意義・コンセプト
『みんなが主役となり、つながりを生み出すまちの拠点をつくる』
わが国は少子高齢化が進展しており、豊橋市も例外ではありません。このような中で、誰もが住みたいと思えるまちとするために、中心市街地を活性化し、豊橋の未来への希望をつくる必要があります。
モノからコト、マスから個、大量消費から環境への配慮へと、時代のニーズや人々の価値観が変わってきた昨今、海・山・川などの自然、都心への良好なアクセス、個性豊かな企業群、地域に根付いた大学、そして日本屈指の生産額を誇る農業など、大きな可能性を秘めたこの地域の独自の強みを生かした新しい息吹を吹き込み、豊橋・東三河の人々が誇りをもてるような魅力あるまちにしていきたいと考えております。
こうした再開発事業の意義や豊橋市の上位計画を踏まえて、コンセプトを設定しました。
施設展開の考え方
『「食」・「健康」・「学び」をテーマとした個性がつながり合う施設へ』
本再開発事業では「食」「健康」「学び」という3つのテーマをすえて施設内容の検討をしています。
この施設を訪れる人、ここに住む人、ここで働く人にとって魅力があり、様々な世代の方々や様々な個性を持った方々が交流し、つながり合える施設となるよう考えています。
これからの時代を見据えて、多様な世代のニーズ、暮らし方・働き方に対応できる施設構成とし、施設一体として魅力向上を図っていきます。
東棟の施設構成
『空間と機能を生かした情報発信と交流機会の創造』
6-24階はマンション、4-5階は「働く」「学ぶ」をキーワードとしたオフィスのフロア、2-3階まちなか図書館(仮称)の予定となっています。1階は「食」をキーワードとしたテーマ性の強いフロアとなる予定です。また5階建て低層部の屋上には「食」に関連したコンテンツとして農園を設置する予定です。
広場や施設が連携しながら「食」「健康」「学び」というテーマを具現化していきます。施設の様々な空間と機能を生かしながら、イベントの開催や情報発信、交流の創出を行っていきます。
そして、ここからまち全体、東三河、さらには世界へとつながっていけるような施設にしていきたいと考えています。
居住空間
『まちなかに住みたい、住んで良かったと実感いただける
マンション開発』
マンションの供給戸数は129戸を予定しています。まちなかに住む人が増えることで、まちにさらなる活気が生まれると考えています。
まちなか居住の推進は少子高齢化社会における安心・安全な暮らし、環境への配慮、機能集積による利便性向上など、これからの地方都市の未来において非常に意義のあることだと考えています。
このマンションは、再開発地区のあるまちなかエリアに住むことの魅力だけでなく、様々なライフステージやライフスタイルに対応できる商品開発を通じて様々な人々が豊橋のまちなかに住みたいと思って頂ける、さらには豊橋のまちなかに住んで良かったと実感頂けるマンションにしたいと考えています。
食によるまちづくり
『食の地域資源とネット枠を活用した新たな価値創造を』
この地域には農業関係の生産者の方が多くいらっしゃいます。私達の胃袋を充たす野菜を作る方もいれば、特殊な拘りのある野菜を作る方、果物を作る方もいます。また農業だけでなく、水産業や畜産業、園芸業などを営む方々もいらっしゃいます。これらは豊富な地域資源といえます。
この地域資源、主に生産品の多くは東京等の大都市圏に流通しています。しかし、この地域に住まう私たちはそれらを価値として認識しているでしょうか。グローバル社会だからこそ、こうした生産品を改めて地域の価値として認識していく必要があると考えます。
再開発ビル1階は「食」をテーマにしています。どういった事業を展開するかは引き続き検討を重ねますが、建築と併せて事業の軸となるプログラムも同時に考えながら、再開発ビルを含めた地域全体でも「食」をテーマにした地域づくりを行うプラットフォームを作っていきたいと考えています。
食によるまちづくりコンソーシアムの実現
『様々な食の分野と連携したコンソーシアムを創りあげる』
食に関わる人は生産者だけではありません。海苔や練り物、お茶などの加工品メーカー、それを輸送する流通事業者、サービスを提供する食堂やレストラン事業者、素材を生かす料理人など、食にまつわる関係者も多くいらっしゃいます。
そういった方々と連携し、この再開発ビルが新たな価値創造の場となるよう様々な事業の組み立てを模索していこうと考えています。
他にも医療関係者、大学、資金面で支える金融事業者、人材育成を行う食の専門学校など、様々な分野との連携が必要と考えています。こういった方々と事業を進めていくうえでコンソーシアムを創りあげていきたいと考えています。
(※コンソーシアム:共同体の意味)
食によるまちづくり プログラムとスキーム
『再開発ビルを食の取組の核となるスポットへ』
具体的にコンソーシアムに巻き込みながら推進していきたい機能や取組を説明します。
「育成機能」店舗経営や素材・調理等に関する知識や技術の習得を目的に、食でビジネスを始めたい方向けの取組を地元の料理関係の学校や大学等と連携しながら実施していきます。
「開発機能」様々な商品やレストランメニューを考えて、生み出していくための機能をつくります。
「発表機能」個人やチームが食に関する研究成果などを発表すると同時に、その楽しみを生み出していけたらと思います。海外では食に関して発表することの楽しさを発信している施設が多くあります。そうした事例を学びながらつくります。
「マーケティング機能」事業やアイデアを具現化していくうえでの資金援助や投資などのサポートをする機能をつくります。
「予防機能」健康の側面から、どのような食事を取り入れることで健康維持につながるのかという点を軸にしたサービスを提供したいと考えています。
「業界再編創造機能」日本には食を含め、伝統的な製品や商品が多く存在しています。そうした素材や技術を改めて価値化して世界に発信していくことが重要だと考えています。新たな価値を生み出す発信の機会をつくっていきたいと考えています。
上記に関する具体的な検討は引き続き進めて参ります。 また周囲の皆様のご賛同を頂きながら、この地域を盛り上げていければとも考えています。施設1階にはこうした機能や取り組みの核となるスポットにしていきたいと考えています。